【SCの進撃】留まることをしない、ショッピングセンターの強みは何か?大手百貨店とのビジネスモデルの違いを比較して理解する

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データ分析
こんな人におすすめ!
  • ショッピングセンターのビジネスモデルを確認したい人
  • 百貨店とモール型SCの違いを知りたい人
  • 人々はなぜショッピングセンターが好きなのかを知りたい人

に向けた記事内容になっています。

土偶
土偶

2020年の駅前や繁華街にある老舗百貨店の売上が激減したと報道を目にした土偶です。

地方都市にはなくてはならないショッピングセンター(以下SCと省略します)の進撃が留まらないと肌感覚で感じつつありますので、SCのビジネスモデルを解読したいと思います。

結論、百貨店は小売業で、SCは不動産業

百貨店の場合、テナントの営業権は百貨店側にある。

テナントとしては、百貨店に商品を卸している形をとる。

なので、百貨店は「我が百貨店には合わないので、商品を取り換えてくれ」とリクエストが可能だ。

一方のSCの場合は、何をどう売るかを決めるのはテナント。

SCは家賃としての場所代をもらうので、SCは集客できるイベントを打ったり施設の安全性を保つなどの工夫に注力できる。

テナントとは、

商業ビルと賃貸契約を交わして、入居する事務所や店舗(借主)のこと。一部の区画をその建物のオーナーや運営母体から借り受けて事務所や店舗として使用する借主。

SCのビジネスモデルの背景には何があるのか?

「駅ビル」と呼ばれたり、「店舗名称(〇〇〇モール)」と呼ばれたり。

あまり意識せずに百貨店名を呼んでいたり、SCや〇〇〇モールと固有の名詞呼んでいたりしている。

SCは「不動産賃貸業」

SCはテナント貸しした専門店の集合形態のことを主に指し、不動産業として場所を貸す意識が強いため、固定の家賃と売上歩率(売上マージン)を併用した出店料を設定している。

また、歩合賃料による回収方法も採用するSC母体も多くなっている。

これは、テナントの売上に対して一定の歩合率を掛けて算出された金額を賃料として支払う仕組みである。

月間の売上額 × 売上歩率 = 賃料 として計算される。

テナント側は売上がゼロであっても、最低保証売上分は売上があったものとみなして賃料を 支払う仕組みとなっている。

固定家賃が設定されている場合は売上歩率が低く、売れれば売れるほど自社の利益が大きくなるメリットもある。

新型コロナウイルスの感染拡大で、商業施設に入居する飲食店などテナントへの賃料減免が焦点になっている。

イオンモールなどは4月分の賃料の減額を決めた

優良テナントを囲い込み、競争力を維持する狙いがある。

対照的に中小企業や個人所有のビルは資金力が乏しく、賃料の減額をためらう傾向が目立つ。

施設の運営会社やオーナーの減収を補う措置を求める声も出ている。

日本経済新聞 2020年4月10日

テナント借主は「定期借地権」という賃貸借契約を結ぶ

「定期借地権」契約は略して「定借(テイシャク)」と言われる。

SC内の場所を借主に貸す際にはあらかじめ契約期間を決めておき、契約期間終了時には、SCに確実に返還する。

契約期間終了後に両者(SCと借主)の合意のもとで借主のショップを継続する場合には、新たな「定期借地権」契約を結ぶ形となる。

コストでの負担

SCの一区画を一定期間借りるという賃貸借契約を結んでいるので、出店保証金に加え、使用坪数に応じた月々の家賃をSC内に支払う。

また、ショップの内装コストについても、共有設備以外の工事費は、基本的に全額テナント側の負担となる。

言い換えれば、品揃えやディスプレイの自由度が高く、世界観を表現しやすいとも言える。

では百貨店はどのようなビジネスモデルを採用しているのか

三越 - Wikipedia
wikipediaより

百貨店自体が商品を売ってそのマージンで運営している。

百貨店が「小売業」であり、多くは歴史のある老舗百貨店であることがある。

また、発端に還り分類することも可能である。

出典:成美堂出版「今がわかる未来がわかる業界地図 2016-17年版」/日本経済新聞出版社「日経 業界地図 2016年版」

百貨店は多品目を扱う一施設

商品の仕入れの方式にもSCとの違いをみることができる。

百貨店独自の「消化仕入契約」という契約形態で各ブランドと連携。

消化仕入契約とは、

売れた瞬間に仕入れたことになる契約のこと。

百貨店に陳列する商品の所有権をメーカーに残しておき、百貨店で売上が計上されたと同時に、仕入が計上されるという取引形態。

百貨店側としては在庫のリスクがなく、安定したビジネスを展開できる。

売れなくとも在庫扱いのにならないのでチャレンジが大いにできる販売形式である。

なぜ人々はモール型SCに集まるのか

出典:イオンモール

ショッピングモールが存在しない県はゼロ、2019年末時点で3209の施設が日本存在する。

ちなみに総テナント数は16万3400店以上

地方の絶対的地位

家から1時間、2時間かけて車でSCに行って、そこに行くまでの間、ドライブを楽しむ傾向が地方には根強いようだ。

SCに行けば、買い物も食事もできて、映画も見られて、一日中、楽しめる。

とあるアンケートで、「よく行くお店」はどこですか?という設問で、以下の集計にまとめられた。

イオニストvsららぽーたー.001.jpg
出典:https://blogs.itmedia.co.jp/

地方在住者は車社会とマイルドヤンキー

駅前の商店街の絶滅の裏には車社会に伴う地方大型SCの出店は大前提だ。

地方都市で学生時代を送り、就職、友達関係は同級生が主で、そこで完結する生活を送る保守的な若者を「マイルドヤンキー」と呼ぶそうだ。

  • 特徴としては、
    • EXILEが好き
    • 地元(家から半径5km)から出たくない
    • 『絆』『家族』『仲間』という言葉が好き
    • 車(特にミニバン)が好き
    • ショッピングモールが好き

とNHKでも取り上げられている様子で、統計的にも若者の30%はマイルドヤンキー化しているという人もいるほどだ。

地方大型に占拠

大型ショッピングセンター(SC)やネット通販(EC)に客を奪われ、郊外・地方では百貨店の閉店が続いている。

巨大SCは結局のところ、町を殺しているのか。

そもそも昔ながらの商店街は善、ショッピングモールは悪的な考えは全くなく、人口が減りつつある地方では小売の形態自他に物を売るから付加価値をつけた楽しめる場所の提供にシフトしているのではないか。

まとめ

SCは地方の要になってくれるのか
  • 百貨店は小売業で、SCは不動産業
  • SCはテナントの売上に対して一定の歩合率を掛けて算出された金額を賃料として支払う仕組み
  • 百貨店独自の「消化仕入契約」という契約形態
  • 百貨店側としては在庫のリスクがなく、安定したビジネスを展開
  • 小売の形態自他に物を売るから付加価値をつけた楽しめる場所の提供にシフト

終わり

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