- そもそも株主資本がわからない人
- ROEと聞いたことはあるが、いまいちよく分からない人
- ROEから何が分かり、株の判断材料にどう生かせるにか知りたい人
に向けた記事内容になっています。

株式投資を行う上で需要になる指標として、PER・PBRそして今回取り扱うROEです、本当にその企業に投資すべきなのかの判断材料として使われる重要指標であるので確実にモノにしたいところと思っている土偶です。
下記に以前に記事にしたPER・PBRを貼っておきますので合わせてご確認のほどよろしくお願いします。
ROEとは一体何を表しているのか

ROEとは、株主資本利益率(自己資本利益率ともいう)のことであり、Return on Equityの略称である。
株主の持ち分である株主資本(資本金+内部留保つまり株主から来る資本)に対して、どれだけの利益を生んでいるかを表す。
計算式はシンプル
ROE = 当期純利益(税引き後利益のこと)÷株主資本(自己資本のこと)×100でパーセント表示される。
企業Aの当期純利益が1億円で株主資本が10億円だった場合、
1億円÷10億円×100=ROE10%となる。
一般的にはROEが高いほどに効率的な経営がなされていると評価される傾向にある。
ROEは稼ぐ力を測る
一般的には8~10%がその目安とされており、これを超えれば優良、下回る場合には投資価値が低いと評価される。
ROEが高い企業は、株主からの出資金を効率的に使って利益を稼いでいる。
逆に、ROEが低いとせっかくの株主からの出資金をうまく使えず、無駄に寝かせているのではないか?ということになる。
株主から見てROEが8%でアベレージ・15%以上が合格と言われる。
ちょっと待って、株主資本とは?

そもそも株主資本と自己資本の違いがわからない…。
株主資本や自己資本とは何が違うのか?
まず貸借対照表(B/S)の資産と負債の差額は「純資産」と表記されるのは基本だと思う。砕いて表現すれば、純資産は「返済が不要な資金」である。
経営者は会社を設立する際に入れたお金「資本金」や今まで築き上げてきた利益である「利益余剰金」が記載されている。
また、株主資本以外の項目は資産でも負債でもない項目と認知していいだろう。
具体的には、その他包括利益累計額として勘定されている。
株主資本とは
株主資本は、『資本金+資本余剰金+利益余剰金−自己株式』と表現できる。
(株主からの出資と会社の稼いだ利益から会社が保有する自己株式を引いた金額)のことを株主資本という。
その会社が新型に自由に使えるお金である。

では、自己資本とは
自己資本=株主資本+その他包括利益累計額のことを指す。
以上を簡単にまとめると
「株主資本≦自己資本≦純資産」となる。
- 株主資本=資本金+資本剰余金+利益剰余金
- 自己資本=株主資本+その他包括利益累計額
- 純資産=自己資本+新株予約権+少数株主持分
株主資本は、株主の資本(そのまま)。出資金、利益余剰金など株式会社では株主のもの。
自己資本は、株主資本にその他包括利益累計額を足したもの。時価変動する資産がある場合は評価と換算差額も入れるということ。
純資産は、自己資本に新株予約権と少数株主持分を足したもの。
ROEは収益性から見たの判断材料になる

稼ぐ利益額は変わらなくても、資金調達先の借入れの割合を増やしたり、自社株を買うなどの方法によってもROEを高めることはできる。
自社株買いでどうなる
ROEの数字が高いほど、株主資本を効率よく使って利益をあげていることがわかる。
自社株買いをすると、このROEが高くなる。
企業Bの当期純利益が2000万円で株主資本は1億円だった場合、
ROE=2000万円÷1億円=20%
仮に1000万円分自社株買いを企業Bが行なった場合、
ROE=2000万円÷(1億円−1000万円)=22.2%となる。
1000万円の自社株を購入することで利益を出さなくともROEを2.2%高めることが可能である。
ROEでは現在の株価の割安性は判断できない
今まで記事を読んでこられたなら、当たり前と言えば当たり前の話で、ROEは利益と純資産の部分に焦点を当てて求める指標であるので、現在株価の判断材料にはなり得ない。
まとめ
- ROEとは、株主資本利益率(自己資本利益率ともいう)のことであり、Return on Equityの略
- 株主の持ち分である株主資本(資本金+内部留保つまり株主から来る資本)に対して、どれだけの利益を生んでいるかを表す
- 株主から調達したお金を効率よく使っているかを示す指標
- 自社株買いをすると、このROEが高くなる
終わり
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