【企業分析】米国個別株を見てみる AT&Tの現状を分析してみえてくるもの

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米国株個別銘柄
こんな方におすすめ!
  • AT&Tとはどんな企業なのかを知りたい人
  • これからAT&Tに投資したいけど今後の企業見通しを知りたい人
  • 他企業との競合について知りたい人

に向けた記事内容になっています。

初めて米国個別銘柄に投資した企業がAT&Tでした。土偶です。

高配当銘柄という魅力で投資後、バイアンドホールドを行なっています。(有利子負債が日本円で20兆円近くあり不安視する面も持ち合わせているが)

日本でいうとこの、通信大手のauとかdocomoとかソフトバンクとかって位置的の会社。

下記に現在のAT&Tの株価を掲載しておくので確認して下さい。

Yahoo!Financeより引用

AT&Tは米国の通信業持株会社。

主に携帯電話事業を展開、子会社AT&Tモビリティを通じて米国内の企業や個人に市内・長距離携帯電話、ローミングサービスを提供。

また、インターネット接続、専用回線、DSL、IPテレビ「U-verse」、ブロードバンド、IP電話、ウェブホスティングなどのサービスを提供。


AT&Tの概要を知る

アメリカ合衆国テキサス州ダラスに本社を置く、情報通信・メディア・テクノロジーサービスを提供する世界的コングリマット企業である。

通信インフラという川上からコンテンツ発信の川下まで含めた総合通信企業。

雇用社員は24万6000人(2020年1月31日時点)

AT&Tとは旧社名 American Telephone & Telegraph Companyの略である。

公式HP https://www.att.com/

歴史は古い

1885年に設立された、米国の電話会社。

1877年に電話の発明で知られているグラハム・ベルが1877年に設立したベル電話会社が前身。

1984年、独占禁止法違反により8社に分割された。

1995年、会社分割を機に、通信(電話及びネット)に集中

2015年には、メキシコのワイヤレス事業を買収し、米国とラテンアメリカにおけるデジタルテレビの大手プロバイダー DIRECTVを買収。

2018年6月には、Turner、Home Box Office (HBO)、Warner Bros.を運営するメディア・エンターテインメント企業 Time Warner Inc.を買収。

現在のAT&Tは、分割されたうちの1社であるが、世界最古で最大の電話会社と呼ばれる所以である。

4つの事業内容を簡単に見てみる

事業内容は4つのセグメントに分割され、

  • 通信事業
  • ワーナーメディア事業
  • ラテンアメリカ事業
  • Xandr事業

に分かれている。

通信事業

米国内外の消費者と企業にワイヤレス通信、有線通信、ビデオ、インターネットサービスを提供している。

全体の77%を占めているAT&Tの主要事業である

通信サービス商品には、〔AT&T〕〔Cricket〕〔AT&T PREPAID〕〔DIRECTV〕のブランド名で展開している。

また、モビリティ、エンターテインメントグループ、ビジネスワイヤラインもこの事業内に包括されている。

モビリティ事業

同社の持つネットインフラを利用してのワイヤレスデバイスを介した高速インターネットを含む音声・データサービスを提供。

5Gサービスへの移行に伴い、現在3Gサービスに使用されているスペクトラムを再配置し、2022年に3Gネットワークのサービスを終了する予定。

エンターテインメントグループ事業

ビデオエンターテインメントによる収益が主になっており、収益の大半は、サブスクリプション収入と広告収入で構成されている。

約2,000万人の加入者に数百チャンネルのデジタル品質のビデオエンターテインメントとオーディオプログラムへのアクセスを提供。

ビジネスワイヤライン事業

多国籍企業、中小企業、政府機関などの法人顧客に先進的なサービスを提供。主な収益は戦略的マネージドサービスが上げられる。簡単に言ったら、データ解析とセキュリティとマネージングサービスを一体化してやるサービスのことを指す。

ワーナーメディア事業

主に長編映画、テレビコンテンツなどのコンテンツを制作・配信し、ネットワーク、プレミアム有料テレビ国内外で運営する。

Turner

ニュース・スポーツ・エンタメ・キッズ向けでマルチコンテンツを提供。CNN、TNTを運営。

Home Box Office(HBO)

多チャンネルプレミアム有料TVサービス、日本で言ったらスカパー!的なサービスを運営。

収益には、サブスクリプションとコンテンツ、その他のカテゴリーが含まれる。

Warner Bros.

おなじみワーナーブラザーズのテレビ番組や長編映画の制作、配信、ライセンス供与。

収益には、劇場興行、テレビ用製品、ゲームその他のカテゴリーが含まれている。

ラテンアメリカ事業

中南米でのエンタメサービス、またメキシコではワイヤレスサービスを展開。

メキシコでは国内の主な無線ネットワーク事業に従事しており、〔AT&T〕と〔Unefon〕のブランドで、約1,900万人の加入者がいる。

Xandr事業

1億7,000万人の顧客との関係から得たデータを活用し、より消費者に関連性の高いデジタル広告や動画広告を開発。

AT&Tの企業の財務状況を知る

直近の2020年第3四半期決算書の概要から財務状況を確認してみることにする。

なお株価は米国市場の堅調な推移と上記のチャートからも分かるように逆に下がっている傾向にある。

AT&T 2020Q3決算概要

出所:AT&Tの企業サイトより

2020Q3の総売上高(Total Operating Revenues)は423億4000万ドルで、前年同期の445億8800万ドルから5.0%減少

2020Q3のAT&T帰属の純利益(Net Income Attributable to AT&T)は28億1600万ドルで、前年同期の37億ドルから23.9%減少

2020Q3の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.76ドルで、前年同期の0.94ドルから19.1%減少

2020Q3の財務まとめ

出所:AT&Tの企業サイトより

COVID-19の影響をもろに出ている状況には違いない。

EPS自体も大きく下回る結果となっている。

メディア事業の要であるワーナー事業も映画館の閉鎖を余儀なくされ有益が鈍化している背景もある。

逆にステイホーム下でHome Box Office(HBO)での多チャンネル有料サービスの米国内新規加入者が3630万人から3800万人へと増加。

新型コロナの影響

出所:AT&Tの企業サイトより

AT&Tの全体として売上高に25億2500万ドルのダメージがあったと公表している。

しかし、5G対応の携帯機器が次々と発売され、ワーナーメディア部門が営業を再開し、動画配信サービスの加入者が一段と増加するのに伴い、2021年は約1%の増収増益となる見通し。

業績とCS

売上高は緩やかに上昇、利益も緩やかに増益。

営業キャッシュフローが、増加傾向である。

投資、財務キャッシュフローは基本的にマイナスになっており、新規の投資、借入金の返済。

CFは見た目上では健全。

投資先として先行きを考える

AT&Tの株価推移と水色線SP500/オレンジ線日経225の比較(1984年起点)

S&P500と比較して

90年代はSPXを大きくアウトパフォームする勢いがあったAT&Tであったが、2000年米国ITバブル崩壊後はアンダーパフォーム、2012年ごろから一貫して乖離が顕著になる。

また2012年ごろから株価の伸びがあまり見られず。2012年から直近まで、28~40ドルのボックス圏で推移

連続高配当銘柄

やはり個人投資家として魅力に映るのことは、現在36年連続で増配を続けている会社であると言う事実であろう。配当貴族銘柄である。

36年でも50位以内には入るので、連続増配の多い米国株の中でもかなり頑張っている方だと認識している投資家は多くいる。

配当貴族銘柄とは、配当金を25年以上増配している銘柄で構成される「配当貴族指数」に組れられている銘柄を言う。

利回り7.17%とキャピタル狙いというよりも配当狙いの投資家しかいないと思われる。

魅力に映るファンダメンタル

AT&Tの予想株価収益率(PER)は9倍と割安で、7.7%の予想配当利回りは魅力的である。

一方、メディア事業のライバル、ネトフリのPERは56倍と超割高ではあるが、先行者優位や成長性をともなうため、株価の押し上げの材料となっているのか。

ライバル会社との優位性を知る

通信事業のライバル企業はベライゾンで、米国通信業界は今のところ2強状態。

2社に加えてTモバイルとスプリントの計4社で米国の通信事業は寡占されている状態である。

加えて、メディア事業には既にNetflixやアマゾンプライムが圧倒的な地位を築いており、さらにAppleやDisneyの参入など競争は激化している。

ライバルはベライゾン

ベライゾンは5Gへの投資を強めているのはAT&Tと同じではあるが、それ以外にデジタル広告収入を狙い、インターネットサービスのAOL(44億ドル)、ヤフーのインターネット部門(48億ドル)を買収を行なっている。

青色ベライゾン

やはり、2013年を起点にVZがずっと優勢である。(配当性向のゆとりや将来の財務安全性を評価されている?)

参考:日本の通信インフラ

出典:電気通信事業分野における市場の動向、総務省

通信インフラが今後競合との激戦で収益的な取り分を減らしてでも事業の優位性を確保に走ることが予想できる。(日本、米国ともに)

まとめ

AT&Tの決算は増収増益で安定成長
  • 通信インフラという川上からコンテンツ発信の川下まで含めた総合通信企業
  • 通信事業は全体の77%を占めているAT&Tの主要事業である
  • AT&Tの全体として売上高に25億2500万ドルのダメージ
  • 株価は、2012年から直近まで、28~40ドルのボックス圏
  • AT&Tの予想株価収益率(PER)は9倍と割安で、7.7%の予想配当利回り

終わり

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